著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

古関裕而のライバル古賀政男は自殺未遂を乗り越え大成した

公開日: 更新日:

 この野田が演じる木枯のモデルは古賀政男。生涯に作った曲は約5000曲。古山裕一のモデル古関裕而もほぼ同じ曲数を作曲した。いわば、昭和を代表する両巨頭である。

 ドラマでは古賀が先にレコード会社と専属契約を結んだことになっているが、実は5歳下の古関のほうが半年ほど早く日本コロムビアの専属になっている。実際に小山田耕三のモデルである山田耕筰の推薦があり、それが大きくモノを言ったようだ。

■マンドリンで頭角を現す

 福島の老舗呉服屋で何不自由なく育った古関とは対照的に、古賀の福岡の生家は貧しかった。父は瀬戸物の行商をしていた。古賀が7歳の時、その父が急逝。兄を頼って朝鮮半島に渡り、商業学校を卒業。その後、日本に戻り、大阪の商店に勤め、明治大予科に入学した。

 商業学校時代に兄から贈られたマンドリンを弾いていた古賀は、明治大でマンドリン倶楽部を創設。音楽家としてみるみる頭角を現す。しかし、最上級生の夏休み、古賀は自殺未遂を起こす。東北のひなびた温泉で突発的にカミソリを首筋にあてたのだ。血が噴き出したが、友人の声がして我に返った古賀はハンカチで患部を押さえ、事なきを得たのだった。

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