著者のコラム一覧
ダンカンお笑いタレント・俳優・放送作家・脚本家

本名・飯塚実。1959年、埼玉県毛呂山町生まれ。落語家を目指し立川談志に弟子入り。「立川談かん」として活動した後、たけし軍団入り。お笑いタレント、俳優、放送作家、脚本家と多才で、現在はTAPの専務取締役。

「でかしたア!!」談志師匠は植木泥棒の俺をホメてくれた

公開日: 更新日:

「おい! 談かん、庭の草が伸びてるなあ、おまえどーせ暇なんだから草むしりしてろ!!」

 その日の昼すぎ、師匠にそう言いつけられた俺は相変わらず「う~ん、草刈りが上手にできたら面白い人間になれるって言うんですか」と心の中でその言葉を反芻しモヤモヤしていた。

「いいか、おまえさんが草だと思ったら徹底的に一本残らず抜くんだぞ! サボるなよ!!」という言葉とともに師匠はいつもの書斎の机に向かい、何やら書き物を始めた様子であった……。さー、そこからあれほどまでに奇妙な結末を迎える物語の一日が始まるとはだれが想像したであろう……。

 これは「弟子も弟子なら師匠も師匠」という何の教えにもならなければ何の戒めにもならない遠き昭和のまー、どーでもいいと言えばいい物語である。師匠に草むしりを言いつけられた俺はさらにモヤモヤを募らせていた。

「なんで草むしりなんだよ……俺、将来、農業やるわけじゃないのにさ~、あ~面倒くせえなあ~! あ、でも師匠言ってたよなあ……おまえが草だと思ったら抜けって……ウム、てことは俺の判断で草を決めていいってことだよなあ……なーんだ、そーか、俺が決めていーんだ!!じゃ、この腰まである枝が広がった木もグググググ~と抜いちゃうもんねー!!」

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?