著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

アンガールズは「東京の方がいいよ」の社交辞令を信じ上京

公開日: 更新日:

 “キモカワ”芸人として独自の地位を確立したアンガールズ。芸人さんの持つガツガツ感、グイグイ感を意識的に排除しているのか、ありのままなのか、素人っぽさを残しながらも、コントになるとキャラクターを生かした上でよく練られたものを見せてくれるギャップが魅力です。

 まだ21世紀になる前、1990年代、吉本は地方の企業などとタイアップで「吉本虎の穴」と称する「タレントオーディション」というイベントを各地で行っていました。現実は「オーディション」とは名ばかりで、企業の販売促進の一環として「おでかけ素人名人会」という様相が強かったものです。私はそのいくつかのイベントに「漫才作家・NSC講師」として審査員に名前を連ねていました。その広島大会にやってきたのがアンガールズでした。2人ともまだ大学生で、落語研究会でも漫才同好会でもなく、お笑いとは全く関係のない部活をやっていて、いわば「冷やかし出場」なのだと当時は思っていました。

 正直なところ、どんなネタをやっていたのか全く記憶にありません。進行上「プロになりたいの?」と聞くと「はい」という返事だったので「キャラクターはおもしろいけれど、大阪では受け入れられづらいと思うから、(芸人を)やるなら間口の広い東京の方がいいと思うよ」とアドバイスのように聞こえますが素人出場者への“社交辞令”を言って、そのまま完全に記憶から消えていました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  3. 3

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  4. 4

    浜田省吾の父親が「生き地獄」の広島に向ったA.A.B.から80年

  5. 5

    山尾志桜里氏は出馬会見翌日に公認取り消し…今井絵理子、生稲晃子…“芸能界出身”女性政治家の醜聞と凄まじい嫌われぶり

  1. 6

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  2. 7

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  4. 9

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 10

    フジ親会社・金光修前社長の呆れた二枚舌…会長職辞退も「有酬アドバイザー」就任の不可解