著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

中村アン、桜井ユキ…春の連ドラは「2番手女優」が面白い

公開日: 更新日:

 春の連ドラは王道あり挑戦ありで結構楽しめているが、視聴率はあまり芳しくないようだ。緊急事態宣言も延長され、テレビを見ている人は多いはずなのに。最終回を迎えるドラマもポツポツ出てくるこの時期に今さら個々のドラマの見どころを紹介してもなんの足しにもならないが、目線を変え、今期ドラマを盛り上げた2番手クラスの女優たちに注目!

 まずはTBS系、火曜ドラマ「着飾る恋には理由があって」。川口春奈横浜流星のラブストーリーでアーティストの卵・羽瀬ちゃんを演じる中村アン。出始めの頃はヒロインの恋敵などワンポイントで使われることが多かったが、織田裕二の「SUITS/スーツ」や、木村拓哉「グランメゾン東京」あたりから格段にうまくなってきたイメージがある。

 モデルから女優に転身し、いまや演技派の風格が漂ってきた小池栄子の後を追うのは中村かと密かに思っていたが、それが確信に変わった。長い髪と前髪をかき上げるしぐさが印象的だが、役づくりのためにそのロングヘアを惜しげもなく切り大胆なイメチェンを図り、さらにはすっぴん? と思うほどのナチュラルメークも新鮮。アン、覚醒! といった感じ。

■古河琴音は声も発音も顔も気になる

 次は日本テレビ系、土曜「コントが始まる」の古川琴音有村架純の妹を演じているが、姉がかすんでしまうくらい存在感がある。朝ドラ「エール」で窪田正孝二階堂ふみの娘役を演じていた時から気になったが、今回のつむぎ役もやっぱりいい。ちょっと変わった声と独特の発音、顔も気になる。ますます楽しみ。

桜井ユキは第2の田中裕子になれるか

 フジテレビ系、月曜「イチケイのカラス」から書記官役の桜井ユキ

 竹野内豊演じる裁判官に振り回されるチームみちおの一員だが、メガネ姿が昭和のロマンポルノの女教師シリーズに通じるモノがある(妄想だ が)。

 2019年、NHK「だから私は推しました」で主演も経験した。第2の田中裕子に化けると睨んでいるが。

■ヒロインの妹役からの抜擢も

 最後はNHK新朝ドラ「おかえりモネ」から、ヒロイン百音の妹・未知役の蒔田彩珠

 7歳から子役として活躍。是枝裕和脚本・監督のドラマ「ゴーイング マイ ホーム」(フジテレビ系)で阿部寛の娘を演じ、当時の面影が残る。ドラマ「ちびまる子ちゃん」ではまる子の姉・さきこも演じた。百音役の清原果耶とはNHK「透明なゆりかご」でも共演。

 朝ドラヒロインの最近の傾向としてはヒロインの妹役からヒロインへという流れがあるので、蒔田も数年後には抜擢されているかも?

 古川も蒔田もユマニテの所属。かつて満島ひかりも所属、演技派を多く育てている。こちらは第2の満島狙い?

 可能性を秘めた2番手に注目するとドラマはもっと面白く見られる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー