著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<61>午後7時に押し入った強盗 誰かが手引きをしている可能性が

公開日: 更新日:

 野崎幸助さんの自宅を訪ねてきた男女2人組を前に、私は「もしかすると泥棒の下見なのか?」とさえ感じていた。実際、この1年以上前の2017年2月には、目出し帽をかぶった強盗がリビングのガラスを破って侵入し、寝室のドアを斧で破って金品を奪った事件があった。幸いなことに寝室にいた社長に危害は加えられなかったが、殺されてもおかしくないような事件だった。

 この時は午後7時だったので、窓ガラスが破壊された音を聞いた近所の方が110番通報し、駆け付けたパトカーが家から逃げ出た犯人と鉢合わせになって現行犯逮捕した。午後7時の強盗とは想像をはるかに超えているが、何が起こっても不思議はない。

 私はこの時も田辺に来ていて、番頭格のマコやんと居酒屋でお酒を飲もうとしていたが、乾杯を交わす前にドン・ファンからマコやんの携帯に「強盗に襲われたんです。急いで来て下さい」と連絡があり、半信半疑で自宅に駆け付けていた。自宅前には数台のパトカーが止まっていて、赤色灯が点滅していたのを思い出す。

 犯人は20代後半の建設作業員で、宮城県石巻市の出身だと公判で明らかにされた。衛視に連れられて腰縄で法廷に入って来た犯人は、灰色の厚手のトレーナー姿の170センチぐらいの中肉中背、丸刈りで、後ろの首筋からは入れ墨の一部が見えていた。目つきは鋭くなく、おにぎりが眠ったような顔つきだと私は瞬間に思った。

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