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吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<61>午後7時に押し入った強盗 誰かが手引きをしている可能性が

公開日: 更新日:

 傍聴席には宮城から来た母親や親族の姿もあった。朝一番に飛行機で仙台空港から関空に飛んで田辺に来たらしいが、親不孝という言葉しか浮かばなかった。

 自供によると犯人は震災で職を失ったが、結婚して子供もできたため、単身で埼玉県内の建設現場で働いていたという。そして資産家の家をネットで調べ、社長の家をターゲットにしたという。

■誰かが手引き?

 しかし、である。金に困っている者がわざわざ埼玉県から金と時間をかけて和歌山の田辺まで来るというのは、どう考えてもおかしい。約700キロも離れているのだ。高速代もガソリン代もバカにならないだろう。しかも午後7時に背の高さほどもある窓ガラスを破壊して侵入するものだろうか? 普通は誰もが起きている時間で、しかも社長の家は「ポツンと一軒家」ではなく隣近所にも民家が並んでいる。あまりにもお粗末としか言えないし、余罪についても捜査をしていない警察の捜査の甘さが気になった。

 実はこの事件の1週間前にも、1階のお風呂場の縦1メートル横30センチほどの窓ガラスが割られた事件も起きている。誰もいない時の事件で、警察に被害届を出したが、犯人は分かっていない。これと本件はリンクしていると思うが警察や検察は動かなかった。

「絶対に誰かが手引きをしていると思うんや」

 事件直後にマコやんは口にしたが、私もそう思った。(つづく)

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