著者のコラム一覧
三遊亭鬼丸落語家

昭和47(1972)年生まれ。長野県上田市出身。平成9年、三遊亭円歌に入門。前座名は「歌ご」。平成12年、二つ目に昇進し「きん歌」に改名。平成22年、「三遊亭鬼丸」襲名で真打ち昇進。NACK5「ゴゴモンズ」メインパーソナリティー。

私が前座の頃の真打ちは100人ぐらいでしたが…今は多すぎます

公開日: 更新日:

 新年おめでとうございます。今年もたわいもない文ですがお付き合いいただければ幸いです。

 我々噺家はお正月の1~10日の寄席を初席と言い顔見世興行をおこなってます。ただ顔見世興行ということは落語協会に所属する真打ちの噺家を全員顔付けしなければなりません。上野鈴本演芸場が1~3部、浅草演芸ホールが1~4部、浅草東洋館(5日間)が1~3部ありますが、1人で10日間入れるのはよっぽどの大看板です。

 大概は2人の交互出演で5日ずつの出番だったり3人交互や4人交互というのが通常です。私が入門した二十数年前はこんなんじゃなかったんですけどね。名前は見たことあるけど会ったことのない普段寄席には出てこない(出られない)師匠たちが5人交互とかでは入ってましたが、あとはみんな1人で入ってたんですよ。

 じゃあ今はなんでこんなに3人交互や4人交互になってるかというとひとえに真打ち多すぎってことです。今回の原稿書くためちょっと調べてみたら現在およそ210人ほどの真打ちがいるんです。私が序列では150番目ぐらいで下にも60人ぐらいいるんですね。そして私が前座の頃だと100人ぐらいしか真打ちはいなかったようです。だからみんなが10日間出られたんですね。でもここ10年でも60人真打ちが増えてるんですから今後も10年で50、60人は増える計算です。えっ? 減ってる人数は?いえいえ増えてるのと減ってるので計算して60人増えてます。思いのほか死んでないんですね、噺家って。5年前から浅草東洋館は開演時間を10時から9時30分に早めることで出演者の枠を増やしてますが、今後も真打ちが増えすぎると9時、8時30分とどんどん早まっていくかもしれません。交互出演も5人交互や6人交互になってるかもしれません。

 激しい初席の出番争いですが、わたしは今年も浅草東洋館の5日間と上野鈴本演芸場の3人交互で3日間の出演ができました。来年もこの枠を守るために今年も精進します。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」