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太田省一社会学者

1960年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビと戦後日本、お笑い、アイドルなど、メディアと社会・文化の関係をテーマに執筆活動を展開。「紅白歌合戦と日本人」(筑摩書房)、「芸人最強社会ニッポン」(朝日新書)、「21世紀 テレ東番組 ベスト100」(星海社新書)など著書多数。最新刊は「放送作家ほぼ全史」(星海社新書)。

手掛けたCMソングは数知れず 放送作家の元祖・三木鶏郎が残した功績

公開日: 更新日:

■世相から政治までなんでもござれの「風刺コント」

 そんな放送作家の元祖的存在が、戦後まもなく活躍した三木鶏郎である。三木は1914年東京生まれで東京帝国大学法学部卒。

 一方で、ずっと音楽に親しみ、自ら演奏もしていた。そして自作曲をNHKに持ち込んだのがきっかけで、いきなりラジオに出演することに。47年開始の「日曜娯楽版」という番組で一躍国民的人気者になった。

「日曜娯楽版」の真骨頂は、風刺コントだった。世相風刺から政治風刺までなんでもござれ。大物政治家であれども容赦しない鋭い風刺コントは、GHQからの厳しい検閲を受けたこともあったが、戦後直後の極度の食料・物資不足に苦しみ、政治家たちの汚職事件に怒る国民に、圧倒的に支持された。

 また民放が開局すると、得意の音楽を生かしてCMソング第1号「僕はアマチュア・カメラマン」(小西六写真工業)をつくるなど、活躍の場を広げていく。

 ほかにも「ワ、ワ、ワとワが三つ♪」のミツワ石鹸、「ジンジン ジンタン ジンタカタッタッタタ♪」の森下仁丹など、三木が手掛けてヒットしたCMソングは数えきれない。

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