出世作を生んだ三遊亭円丈の言葉 「君は君以外になれない」と言われ目が覚めた

公開日: 更新日:

 1993年、彦いちは二つ目になったものの、とたんに暇になった。

「たいていの若手は二つ目になると暇になるもので、僕はカヌーにハマりました。それがアウトドアの最初です」

 彦いちは落語界きってのアウトドア派として知られる。

「茨城県の那珂川で、カヌーをこいでた時に、アウトドアの情報誌、BE-PALの編集者と知り合い、連載を頼まれるようになったんです。最近はやりの1人キャンプもよくやってました。海外にも行ってます。最初がミクロネシア。東京で暮らすよりも生活費が安くすむという理由で2週間も滞在してました(笑)。その後も、ユーコン川をカヌーで下ったり、バイカル湖で現地の人と相撲を取ったり、テーブルマウンテンで奉納落語をしたり、カザフスタンの芸人に会いに行ったり。外国に行くと何か面白い出来事があるので、落語のネタになるんです」

 当初は、自分で見聞きしたことを高座で面白くしゃべることができなかったという。

「無理にオチを付けようとして失敗したり、試行錯誤の連続でした。そんな時期に(三遊亭)円丈師匠にアドバイスされたんです」

 新作落語の旗手、円丈が主宰する<応用落語>は、1991年に池袋の文芸坐ル・ピリエで始まり、彦いちは前座時代から使ってもらっていた。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」