沢口靖子が刑事役の「月9」、三谷幸喜は巻き返しへ…起死回生を狙うフジテレビ“ドラマ戦略”の行方
「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」
もうひとつの目玉ドラマが三谷幸喜の参戦。25年ぶりに民放ゴールデンプライム帯の連ドラ脚本を務める「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」という三谷らしい長いタイトルの青春群像劇。主演は菅田将暉。共演も二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波、小池栄子と主役クラスの豪華な顔ぶれだ。
現在の演劇界で監督の名で俳優を呼べる三谷とはいえ、連ドラでこれだけの俳優が揃うのは「大河」をもしのぐほど。「最低でも2桁視聴率」とフジの三谷に懸ける思いは沢口以上かもしれないが、三谷にとっても負けられない作品だ。
最近の三谷は映画のほうの評判があまり芳しくない。昨年の長澤まさみ主演の「スオミの話をしよう」は、期待したファンも言葉を失い、悪い評判しか聞かれなかった。タイトルも含め凝り過ぎで失敗したかのようでもあった。
今年7月公開の「おい、太宰」も不入りだった。主演の田中圭が永野芽郁と不倫騒動の渦中だったとはいえ、三谷マジックも「限界」を思わすものだった。
地上波ドラマは3年前の大河「鎌倉殿の13人」以来だが、巻き返すチャンスにドラマを選んだように見える。若手俳優中心で臨んだ夏ドラマは不発に終わったフジ。秋は実績ある沢口と三谷の手腕に託す。