【安楽死特区】国が自殺する権利を認め、医師が死を幇助する近未来
新宿ピカデリー他にて全国順次公開
「特区」とはおもに経済的な面で行政的、法的に特別な地位を与えられている地域や分野のこと。経済活動や事業を活性化させ、新たな産業を創出するため国が規制緩和などを行う。
映画「安楽死特区」は国家が国民に死ぬ権利を認め、医師たちが自殺を幇助する近未来の物語。安楽死を糾弾するのではなく、この制度に向き合う人々の苦悩を淡々と描く。医師たちも自らの使命を疑問視している。監督は高橋伴明、脚本は丸山昇一が担当した。
国会で「安楽死法案」が可決され、国家戦略特区として「ヒトリシズカ」と名づけられた施設が誕生。安楽死を希望する者が入居し、ケアを受けられるこの施設は、倫理と政治の最前線で物議を醸す存在となっていた。
若年の難病を患うラッパーの酒匂章太郎(毎熊克哉)は進行する病に苦しみながらも、音楽に救いを見いだし、言葉を紡ぎ続けていた。共に暮らすのは、チベットで出会ったジャーナリストの歩(大西礼芳)。2人は、章太郎が余命半年を宣告された今も安楽死に反対で、特区の実態を内部から告発することを目的に、ヒトリシズカに入居する。
施設には末期がんに苦しむ池田(平田満)とその妻の玉美(筒井真理子)、認知症を抱え、完全に呆けないうちに死なせて欲しいと願う元漫才師の真矢(余貴美子)など、それぞれに事情を抱えた入居者たちが暮らしていた。
章太郎の体は急速に衰え、言葉さえままならなくなる。彼は歩に相談もなく、「安楽死を望みます」と考えを一変。歩は池田の主治医の鳥居(奥田瑛二)のほか章太郎の主治医・尾形(加藤雅也)、三浦(板谷由夏)ら特命医の思いに触れ、命と死に真摯に向き合うことを迫られるのだった。


















