ピエール瀧容疑者への“処方箋”薬物依存治療の専門家が語る

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 薬物に手を染めるタイプは意外にも“根は真面目で意志が強い人”が多いという。

「彼らは一見真面目で、気配りのできる、いわゆるいい人が多いです。コカインや覚醒剤などの薬物は心の痛み、不安に対して一種の“鎮痛剤”として作用する。それを繰り返し使ううちに耐性ができ、使用量、回数が増える。一時期自力でやめることができても条件反射の回路が脳内に出来上がっているため、ある状況や条件(引き金)がそろうと再発のリスクが高まりやすい。瀧さんも一時期やめていた時期があって再使用に至ったというのはそのためだと思われます」

■HALT(空腹、怒り、孤独、疲労)が誘引

 真面目で意志が強いのになぜ薬を断てないのか。

「何年も梅干しを食べていなくとも、梅干しさえ見れば口の中が唾液で満たされるように、体が覚えている。それがちょっとした引き金でフラッシュバックが起き、再使用するというパターンです。採血で注射器の針を刺した瞬間だったり、ある人は軟水に溶かして覚醒剤を常用していたため、ペットボトルの水が引き金になる場合もあります。HALT(ハルト)と言って、Hungry(空腹)、Angry(怒り)、Lonely(孤独)、Tired(疲労)の4要素が大きく影響します。瀧さんも多忙で肉体的にハードだったようですので、そのような要因が重なったのかもしれません」

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