公開日: 更新日:

 西暦年と問題を組み合わせた造語の始まりは、2000年問題です。

 以前のコンピューターはメモリーの都合から、1999年を「99」と省略して記憶していました。2000年になった途端、それが「00」になるため、システムが暴走。世界は大混乱となる――。

 しかし、実際には、何も起こりませんでした。その後、毎年のように新しい問題が提起され、いまでは20XX年問題としてくくられています。

 中でも注目を集めたのが2007年問題と2012年問題でした。団塊世代が60歳に達し、一斉に退職が始まったのが07年、その団塊世代が65歳の高齢者の仲間入りを開始したのが12年。

 2007年問題を受けてスタートしたのが後期高齢者医療制度(08年4月施行)。2012年問題は今回の消費税引き上げの動機となりました。

 そしていま最も注目を集めているのが2025年問題。団塊世代は1947年から49年生まれですから、2024年中に全員が75歳に達します。年が改まった25年は団塊世代全員が後期高齢者。超高齢社会の新しいステージが始まるのです。

 2025年問題を見据え、政府は医療制度そのものの大幅な変更や、病院の再編成を進めようとしています。医療業界はその話題で持ち切りです。なにが起ころうとしているのか、来週から少し眺めていくことにしましょう。

▽長浜バイオ大学・永田宏教授(医療情報学)

【連載】健康医療データの読み方

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性