著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

受動喫煙で子供の虫歯が増える

公開日: 更新日:

 たばこの先端から出る副流煙や、喫煙者が吐き出した煙を吸引してしまうことを「受動喫煙」といいます。同居家族の喫煙がもたらす子供の「受動喫煙」と、虫歯発症の関連を検討した研究が、英国医師会誌2015年10月21日号に掲載されています。

 この研究は、2004~10年において神戸市で出生した7万6920人の乳幼児を対象とした後ろ向き観察研究です。生後4カ月時点において受動喫煙のなかった3万4395人、同居家族に喫煙者がいるものの子供の前では喫煙しない3万7257人、同居家族による受動喫煙が明らかだった5268人の3つのグループに分けて3年間追跡調査し、乳歯の虫歯発症を比較しました。なお、出生時の母親の年齢や妊娠週、出生時体重・身長など、結果に影響を与えうる因子を考慮して解析をしています。

 その結果、虫歯の発症は、受動喫煙がないグループで14%、子供から離れて喫煙したグループで20%、受動喫煙が明らかなグループで27.6%でした。受動喫煙がないグループと比較して、子供から離れて喫煙したグループで1.46倍、受動喫煙が明らかなグループでは2・14倍、統計学的にも有意に多いことが示されています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    草間リチャード敬太容疑者が逮捕…コンビニバイトと掛け持ちの苦労人だったが横山裕のセレクトに難あり?

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  4. 4

    俺と巨人ガルベスの大乱闘の一部始終…落合博満さんのヘッドロックには気を失いかけた

  5. 5

    マエケンの「DeNA入り」が急浮上! 古巣広島まさかのNO、巨人はマー君が足かせで動けず

  1. 6

    まさかの故障で失意の最中「お前はラッキー」…トシさんの言葉がなければ今の俺はいない

  2. 7

    DeNA次期監督候補に谷繁元信氏が浮上…南場智子オーナーのイチオシ、本人も願ったりかなったり

  3. 8

    米倉涼子の"体調問題"が各界に波紋…空白の1カ月間に一体何が? ドラマ降板情報も

  4. 9

    参政党の党勢拡大に早くも陰り…「聖地」加賀市で“親密”現職市長が惨敗落選の波乱

  5. 10

    公明党が「自民との連立離脱も辞さず」の背景…まさかの“国政撤退”もあり得る深刻事情