「うつ病」の原因は感染症? 新説で治療はどう変わるのか

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 なぜ、体の炎症がこころの病気を引き起こすのか?

「通常、体に炎症が起きると、免疫系の細胞が動き出します。その代表は血液中にある白血球のひとつである単球ですが、通常は脳内に入ることはありません。脳内の免疫を主に担っているのは、単球と類似した起源を持つと考えられているミクログリアです」

 脳は1000億個もの「ニューロン」と呼ばれる神経細胞で構成されている。ミクログリアは脳内に侵入した細菌や腫瘍細胞を殺したり、脳内の老廃物を食べて清掃する働き(貪食能)がある。そのためのサイトカインやフリーラジカル(活性酸素)などを放出するが、それらが過剰になると逆に脳内の障害を引き起こしてしまう。

「この働きがいき過ぎると、正常なニューロンの働きを阻害し、ときに殺してしまうことがあります。まず、ニューロン同士の情報送信器(神経線維)が束になった白質が障害を受けます。白質の機能が弱まると、抑うつ、不安、幻覚、妄想などの精神症状が出現し、さらに進行するとニューロンそのものの減少(脳の萎縮)につながり、アルツハイマー病などの認知症に発展するとの考えもあるのです」

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