アッシャー症候群のジョー・ミルンさんは聾盲者メンターに

公開日: 更新日:

 私の耳が聞こえていないと母が気づいたのは、生後16カ月の時だったそうです。補聴器をつけても、かすかな振動の違いを感じるだけで音は聞こえません。

 しかし、母は、姉や妹と同じようにかわいい服を私に着せ、普通の子供と同じ教育を受けさせました。手話を習い、障害児のための学校に通う選択肢もありましたが、「自分が立ち向かわなければならない現実を見なければいけない」と、母は考えたのです。

 授業は先生の唇さえ見ることができれば問題はありませんでした。でも、わざと私に背を向けて授業をする先生がいたり、同級生からいじめられたり……。それも学びだと理解していても、学びのプロセスにはつらいものがありました。それでも母は
「あなたが悪いんじゃない。相性が悪かっただけ」と言って、いつも励ましてくれました。

 大音量の音楽で“ビート”を感じながら、姉とクラブで踊るのが大好きでしたし、17歳から恋人もいましたし、障害のせいで何かをあきらめた経験はありません。

 そんなふうにやりたいことを実現させてきたので、「人工内耳手術」という選択肢について深く知ろうとせずにいました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福山雅治「フジ不適切会合」参加で掘り起こされた吉高由里子への“完全アウト”なセクハラ発言

  2. 2

    福山雅治イメージ大暴落…「路上泥酔女性お持ち帰り」発言とファンからの"賽銭おねだり”が時を経て批判集中

  3. 3

    参政党・神谷宗幣代表の「質問主意書」がヤバすぎる! トンデモ陰謀論どっぷり7項目に政府も困惑?

  4. 4

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  5. 5

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  1. 6

    福山雅治がフジ第三者委「有力番組出演者」と認めた衝撃…NHKの仕事にも波及不可避、ファンは早くも「もうダメかも…」

  2. 7

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  3. 8

    福山雅治「ラストマン」好調維持も懸案は“髪形”か…《さすがに老けた?》のからくり

  4. 9

    【独自!】国民民主党にまた不祥事…63歳“激ヤバ”新人都議がコンサル報酬「不払い」でトンズラ

  5. 10

    【武道館チケット入手記念】2013年ザ・タイガース武道館公演の感想「発掘」