著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

趣味や生きがいを持てば「健康寿命」は延びるのか

公開日: 更新日:

 生きがいや人生における目的のようなものを持っていると、長生きできる可能性を示した論文は数多く報告されています。これまで、このコラムでもいくつか紹介したことがあります。

 実際に趣味や生きがい、人生の目的を持つことが死亡や日常生活動作にどのような影響を与えるのでしょうか。それを検討した最新の論文が日本疫学会誌(2016年6月号)に掲載されています。

 この研究は奈良県に在住している65歳以上の高齢者1853人(平均76.4歳、男性42.3%)を対象に、趣味や生きがいが、「死亡リスク」「食事や移動」「排泄」「入浴などの日常生活動作の低下リスク」「買い物」「洗濯や金銭の管理などの手段的日常生活動作の低下リスク」にどう影響を与えるか検討したものです。

 対象者のうち62.4%にあたる1156人が趣味と生きがいを有していました。なお、年齢、性別、収入、BMI、喫煙状況、うつ状態など結果に影響を与えうる因子で結果を補正して解析しています。

 その結果、趣味、生きがいを「両方持っている人」に比べて、「いずれも持っていない人」では死亡のリスクが2.08倍、日常生活動作の低下リスクが2・74倍、手段的日常生活動作の低下リスクが1.89倍、統計学的にも有意に多いことが示されました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ