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名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

末期がんの治療の「平均的効果」と「個別効果」

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 ただ、これはあくまでも一般的な話です。個別の状況では、モルヒネの副作用である便秘、嘔吐、呼吸抑制でひどい目に遭ったり、ステロイドホルモンで胃潰瘍や糖尿病が悪化して困ったり、逆に酸素や点滴で楽になったり、抗がん剤で転移も含めてがんが消えてしまったりということもあるわけです。

 つまり、個別の患者で何が起こるかは、治療を開始する前には分からないのです。ここが臨床の難しいところですが、あくまでデータとして示されるのは、研究に参加した人における平均値にすぎません。個別の患者にすべて当てはまるどころか、「大部分は当てはまらない」ということは、最後にもう一度強調しておきたいと思います。

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