「病気じゃない」が蔓延…便秘を今度こそきちんと治す

公開日: 更新日:

 専門医によれば、日本の便秘治療は「世界的に見て特異な状況」だという。まともな治療は行われていないといっても過言ではないかもしれない。

「患者数が多いのに、医者も患者も便秘を病気ではないと思っている」

 こう指摘するのは、横浜市立大学肝胆膵消化器病学教室主任教授の中島淳医師。医師になる過程で、便秘の治療について学ぶ・教える機会はない。中島医師が医師になりたてのころ、先輩から「便秘は放っておけ」「便秘には酸化マグネシウム“だけ”出しておけばいい」などと言われたそうだが、その状況は現在も変わっていない。

「酸化マグネシウムは適量を超えて出すと不整脈などのリスクがあり、死亡例も報告されています。ところが、適正使用があまりに守られていない。別の病院で倍量や3倍量、出されていた患者さんを診たこともあります」

 便秘は、慢性化すると治らない。早い段階で手を打つ必要があるが、日本の場合、容易に慢性化する流れができている。

 便秘でつらいが様子を見る→我慢できなくなって病院を受診→大腸内視鏡検査など種々の検査の結果、「安心してください」と言われる→市販の便秘薬を自己流で使い始める→便秘薬の量が増える→慢性便秘で治らない段階に至る――パターンだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か