年内接種は無理? インフルワクチン250万本不足の懸念
毎年1000万人が発症し、関連死を含め1万人が死亡するインフルエンザの流行は、12月ごろに始まり、1~2月ごろにピークを迎える。インフルエンザワクチンはその一番の予防策。接種後2週間で効果が表れるため年内接種が望ましいとされるが、今年は希望する時期に打てないかもしれないという。なぜか? 対策を含め、北品川藤クリニック(品川区)の石原藤樹院長に聞いた。
「厚労省の試算では今年のインフルエンザワクチンの生産量は2528万本。これは昨年の生産量で250万本以上、使用量で114万本も少ない数字です。その理由はワクチン製造株の選定の遅れによるものです」
インフルエンザワクチンのもととなるウイルス(ワクチン株)は、例年5月ごろに決定する。WHO(世界保健機関)発表の推奨ワクチン株に加え、国内外の流行分析を参考に国立感染症研究所(感染研)などが決める。
ところが今年はそれが7月半ばにずれ込んだ。新たに入れ替えたワクチン株のひとつが増産しづらいことが判明。7月半ばに急きょ昨年と同じワクチン株に改めたからだ。