著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

接種を取りやめる医療機関も インフルエンザワクチン不足の理由

公開日: 更新日:

 今年も10月1日からインフルエンザの予防注射が始まりました。しかし、いつもなら早めのワクチン接種が勧められるところですが、今年はちょっと事情が違っています。供給されているワクチンの量が非常に少ないため、予約はしてもまだ接種を始めていない医療機関が多く、今年は接種自体を取りやめる、というところまであるようです。

 なぜ今年のインフルエンザワクチンは不足しているのでしょうか? インフルエンザのワクチンには4種類の抗原が含まれていますが、そのうちのひとつを新しくしたところ、それをうまく増やすことに失敗。途中で急きょ昨年と同じ抗原に切り替えたというのが真相のようです。

 このために普段より大幅に作る時期が遅れてしまい、いつもなら10月の初めには十分な量が供給されているところが、年末くらいまでずれ込む見通しなのです。インフルエンザが最も流行するのは、通常12月の後半から来年の1月くらいにかけてです。本来は11月の中旬までには接種を完了するのが望ましいのですが、それを達成するのは難しい状況です。

 こうした時にはお子さんやお年寄り、肺の病気のある方など、ワクチンの必要性の高い人に優先的に接種するのが大事なことで、少ないワクチンを有効に活用することが、今年は必要になりそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」