著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

「根拠に基づく医療」の授業は臨床医が行うべきではないか

公開日: 更新日:

 とはいえ、まだ問題はあります。医学部でのEBMの講義の大部分は、内科や外科などの臨床医によって行われることは少なく、公衆衛生の分野の臨床医でない人たちに委ねられている場合が多いのが現状です。

 論理による証拠だけでなく、事実による証拠に基づく医学教育が、公衆衛生の医師でなく、臨床医の手によって行われ、臨床医学全体に、さらに深く、広くEBMが浸透していくには、まだまだ時間がかかりそうです。そのためにこそ、かっけ論争はすべての医学生が学ぶべき内容だと思うのです。

 そしてまた、論理が優先される医学においては、論理に合わない事実を前にすると思考が停止し、下手をすればその事実を無視してしまいかねない危険をはらんでいる。それを、患者さんとなる読者の方たちも知っておいて欲しいのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった