犬を飼っている人は死亡リスクが低い?
犬の飼育と健康状態に関する研究は複数報告されています。例えば、犬を飼っている人は、そうでない人に比べて身体活動量が多く、悪天候の日でもその運動量が維持されているという報告があります。さらには、犬を飼っている人では糖尿病や高血圧などを有している人が少ないという研究も報告されていました。
ペットによりもたらされる心理的な安心感が、精神面に良い影響を与えていることは多いでしょう。犬の場合では、散歩などによる身体活動量の増加を通じて人の健康増進に寄与している可能性もあります。
そんな中、犬の飼育と死亡のリスクを検討した観察研究の論文が「サイエンティフィックリポート」という科学誌に2017年11月17日付で掲載されました。
この研究ではスウェーデンに在住している40~80歳の約340万人が解析の対象となりました。犬を飼っている人と飼っていない人を比較して、死亡リスクや心臓病リスクなどが検討されています。
12年間にわたる追跡調査の結果、死亡リスクは単身者で33%、家族と同居している人で11%、統計学的にも有意に減少しました。また心臓病による死亡についても、単身者で36%、家族と同居している人で15%、統計学的にも有意なリスク減少が示されています。