著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

クスリを使わず厳格な体重管理だけで糖尿病は寛解する?

公開日: 更新日:

 生活習慣病といわれる2型糖尿病は、食習慣や運動習慣の改善で、その発症を予防できるといわれています。しかし、糖尿病になってしまったら、その治療は一生続けなければいけないもの、少なくとも年単位で治療を継続しなければいけないと思う方も多いでしょう。実際、長期にわたり糖尿病の薬を飲んでいる人は少なくありません。

 そんな中、「集中的な体重管理プログラムの実施で糖尿病を寛解できるか」を検討した研究論文が「ランセット」という有名な医学誌の電子版に2017年12月4日付で掲載されました。

 寛解とは「病状が見かけ上消失しており、治療をしなくてもよい状態」を指しますが、ケガが治癒するといった場合とは少し意味合いが異なります。糖尿病とは血糖値が高い「状態」なので、治療が必要のない状態に至ることを意味する「寛解」と表現した方が適切なのでしょう。

 話がそれましたが、この研究では過去6年以内に糖尿病と診断され、英国の49医療機関を受診した306人が対象となりました。49医療機関のうち、23施設では集中的な体重管理プログラムを実施し、残りの26施設では標準治療を実施しています。体重管理プログラムでは、なんと糖尿病治療薬を全て中止して、そのうえで食事療法などを行っています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々