著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

糖尿病は減少傾向だが減っているのは「否定できない人数」

公開日: 更新日:

 平成28年の「国民健康・栄養調査」では、糖尿病の調査に重点が置かれ、通常よりも詳細な調査が行われています。

 まず糖尿病の人がどれほどいるかです。糖尿病で治療中またはHbA1c6.5%以上を「糖尿病が強く疑われる者」とし、HbA1cが6%以上、6.5%未満を「糖尿病の可能性を否定できない者」として、いずれも全体の12.1%と報告しています。

 両者を合わせると24.2%、全体の約4分の1を占めるという結果です。日本人全体での推計人数では、「糖尿病が強く疑われる者」が1000万人、「糖尿病を否定できない者」を含めれば2000万人に上るとなっています。

 これはなかなかインパクトがある数字です。しかし、これらの大部分の人たちは元気に毎日の生活を送っており、このうち合併症を持つ者の割合など数字でさらに詳しく見る必要があります。

 それでは糖尿病の人は増えているのでしょうか。「糖尿病が強く疑われる者」と「糖尿病を否定できない者」を合わせた推計人数は平成9年の1370万人と比べれば増えていますが、平成19年の2210万人をピークにその後は減少傾向にあることが示されています。

 ただし、「糖尿病が強く疑われる者」に限れば、平成9年の調査以来増加傾向で、平成10年に890万人だったものが平成28年には1000万人という結果です。全体の減少は、「糖尿病を否定できない者」の減少で、単純に減っているというものではありません。さらなる検討が必要です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ

  5. 5

    進次郎農相ランチ“モグモグ動画”連発、妻・滝川クリステルの無関心ぶりにSNSでは批判の嵐

  1. 6

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 7

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    銘柄米が「スポット市場」で急落、進次郎農相はドヤ顔…それでも店頭価格が下がらないナゼ? 専門家が解説

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし