著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

「メタボ健診」の効果はどれくらい? 実はまだデータ不足

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 健康寿命を延ばし、医療費の削減を目標とする公的な健診プログラムに特定健康診査があります。一般的には「メタボ健診」などと呼ばれており、受けている読者の方も大勢おられることでしょう。

 この健診結果から、生活習慣病の発症リスクが高い人に対して行われる健康サポートのことを「特定保健指導」と呼びます。

 2008年4月から導入されたメタボ健診ですが、特定保健指導を受けた人の健康問題が本当に改善されたかどうかについてはデータが不足していました。そんな中、「プロス ワン」という医学・科学誌にメタボ健診の効果に関する研究論文が2018年1月9日付で掲載されました。

 この研究では、特定保健指導の対象となった人で、実際に指導を受けた11万1779人と、指導を受けなかった90万7909人が比較され、ウエスト周囲、BMI(体格指数)、メタボリックシンドロームに該当しなくなった人の割合などが検討されています。

 解析の結果、3年後にウエスト周囲やBMIが5%以上減少していた人、メタボリックシンドロームに該当しなくなった人の割合は、指導を受けた人で統計学的にも有意に多いことが示されました。また、血圧やコレステロール値、中性脂肪値の改善効果も認めたと報告されています。

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