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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

足立区vs港区 長命時代は足立区の3世帯家族に学べ

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■お金があっても孤独を克服するのは難しい

 一方、高齢者にとっては孤独や孤立が最大の死亡リスクであることが知られています。とくに家族と同居しているかどうかで、食事・医療・介護だけでなく、生活の張りや生きがいが違ってきます。それらが寿命を大きく左右します。葛飾区や北区は、足立区と同様、2世代や3世代で同居している家族が多いのです。

 全世帯に占める3世代世帯の割合(%)は、葛飾区が3.1、北区2.3です。対する渋谷区は1.2、目黒区は1.5にすぎません。

 こうした違いが高齢者に影響し、最終的に平均余命を逆転させているのでしょう。

 また、所得の高い高齢者は人間ドックや最先端医療を受ける傾向にありますが、それが必ずしも長寿につながっていない可能性があるのは興味深いことです。

 いずれにせよ、金があっても、それだけで孤独を克服するのは難しいはず。

 高齢になっても元気に暮らしたい人は、足立区などにならって子供や孫と一緒に暮らすべきですし、同居でなくても互いに近所に住んでいることが大切です。

【連載】健康格差は年収格差

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