著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

BMIが約50に急上昇 相撲界では肥満問題が放置されている

公開日: 更新日:

 モデルの痩せすぎが健康の面から問題にされたのに対し、肥満と健康の問題が放置され続けている業界があります。相撲界です。

 幕内力士の体格は今年の1月場所時点のデータで、身長184.2センチ、体重164.0キロ、BMI48.4となっています。30年前のデータが身長180.9センチ、体重130.6キロ、BMI39.9ですから、大幅に肥満が進んでいることが分かります。大相撲以外ではめったに見ないレベルが平均という状態です。もし私が外来でBMI50というレベルの人を見たら、「とにかく、減量した方がいい」と言うと思います。

 相撲界で体重が増え続ける背景には、体重が重いほうが有利ということが最も大きなことでしょう。健康よりも勝負に勝つことが重要ですから、当然のことだと思います。しかし、この原稿を書いている現在、大相撲名古屋場所が開催中ですが、3横綱1大関が休場という状態です。重いことの有利さが一時的には良い結果を生むとしても、長い目で見ると、そうとは限りません。やがてけがをして休場という結果になって、お客さんは大相撲で横綱や大関の相撲を見る機会が減ってしまうかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち

  2. 2

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  3. 3

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  4. 4

    W杯最終予選で「一強」状態 森保ジャパン1月アジア杯ベスト8敗退からナニが変わったのか?

  5. 5

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  1. 6

    指が変形する「へバーデン結節」は最新治療で進行を食い止める

  2. 7

    ジョン・レノン(5)ジョンを意識した出で立ちで沢田研二を取材すると「どっちが芸能人?」と会員限定記事

  3. 8

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 9

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  5. 10

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も