骨粗鬆症の骨折「コルセットつけて安静」が寝たきりを招く

公開日: 更新日:

 老親が骨折し「コルセットをつけて安静に」と医師に言われた――。この場合、別の治療法を考えた方がいいかもしれない。東海大学医学部付属八王子病院整形外科の山本至宏医長に聞いた。

 高齢者の骨折原因のほとんどは骨粗鬆症である。最も多い部位が椎体(脊椎)で、次に大腿骨近位部(股関節)。

 この2つは生命に関わる重篤な骨折だが、大腿骨近位部の治療は手術が主になり、一方、医学的に「骨粗鬆症性椎体骨折」と呼ぶ椎体の骨折は、神経症状がある場合を除き、ほとんどが安静や装具による保存的治療だ。

「しかし、骨粗鬆症性椎体骨折の保存的治療を支持するデータはありません。むしろ、骨折が治る機能が停止する偽関節や骨折の進行のリスクを高めます」

 骨折が進行すると、背中が丸くなる脊柱後弯変形に至り、腰や背中の痛みが生じる。体が前かがみになり、呼吸機能障害、胃食道逆流症などの内科的疾患を合併する。

「患者の日常生活動作の障害や生活の質の低下を招き、寝たきりになる可能性が高くなります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情