骨粗鬆症の骨折「コルセットつけて安静」が寝たきりを招く

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 老親が骨折し「コルセットをつけて安静に」と医師に言われた――。この場合、別の治療法を考えた方がいいかもしれない。東海大学医学部付属八王子病院整形外科の山本至宏医長に聞いた。

 高齢者の骨折原因のほとんどは骨粗鬆症である。最も多い部位が椎体(脊椎)で、次に大腿骨近位部(股関節)。

 この2つは生命に関わる重篤な骨折だが、大腿骨近位部の治療は手術が主になり、一方、医学的に「骨粗鬆症性椎体骨折」と呼ぶ椎体の骨折は、神経症状がある場合を除き、ほとんどが安静や装具による保存的治療だ。

「しかし、骨粗鬆症性椎体骨折の保存的治療を支持するデータはありません。むしろ、骨折が治る機能が停止する偽関節や骨折の進行のリスクを高めます」

 骨折が進行すると、背中が丸くなる脊柱後弯変形に至り、腰や背中の痛みが生じる。体が前かがみになり、呼吸機能障害、胃食道逆流症などの内科的疾患を合併する。

「患者の日常生活動作の障害や生活の質の低下を招き、寝たきりになる可能性が高くなります」

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