過去のトラウマが原因で病気に…WHOも推奨の治療法とは?

公開日: 更新日:

「父親に激しく暴力を振るわれた」「母親から“おまえなんてうちの子じゃない”と罵られ、それ以後、無視された」「学校でいじめに遭った」「先生に性的関係を強いられた」――。過去の理不尽な記憶が心の傷(トラウマ)となり、それが原因で病気になったり、性格や行動が変わってしまったりする。トラウマによって起こるPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療は困難だが、WHO(世界保健機関)が推奨する治療法がある。EMDR療法はそのひとつだ。どんなものか? 「こころとからだ・光の花クリニック」(東京・阿佐谷)の白川美也子院長に聞いた。

「PTSDのある人は、トラウマ記憶という特殊な記憶ネットワークを抱えています。その体験を思い出すと、通常なら起きる適切な記憶の情報処理が滞り、心身に異常が起きるのです。その対処法としてエビデンスが認められている治療法が、『トラウマ焦点化認知行動療法』と『EMDR療法』です」

 前者の代表、持続エクスポージャー療法(PE)は、トラウマになっている出来事や感情を繰り返し話してもらい、セラピストが傾聴することで慣れが起きて、つらく悲しい出来事は過去のものであること、それに対処することができることを明確に認識できるようになる方法だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    南原清隆「ヒルナンデス」終了報道で心配される“失業危機”…内村光良との不仲説の真相は?

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    円満か?反旗か? 巨人オコエ電撃退団の舞台裏

  2. 7

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 8

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 9

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 10

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー