過去のトラウマが原因で病気に…WHOも推奨の治療法とは?

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 ちなみにPTSDの症状は主に4つある。フラッシュバックや悪夢などの「再体験」、トラウマの引き金となる場所や思いを避けるための「回避」、不眠になったり、神経が高ぶる「過覚醒」、自他に対するネガティブな考えや、情動不安定、抑うつ、感情麻痺など「認知と気分のネガティブな変化」である。

■「過去」てはなく「今」の自分を変える

「トラウマ治療というと、こうした症状が出ないように、過去の記憶を消したり変えたりすると思っているかもしれませんが、間違いです。トラウマから回復するということは、過去を変えることではなく、あくまでも過去の心の傷に影響を受けている『今の自分』を変えることなのです」

 それには、心の中に占める過去の記憶を減らすだけではなく、「今・ここ」にいる状態を少しでも増やし、現在の体験を豊かにすることが重要だと白川院長は言う。

「その第一歩として、自分が安全だと感じる場所を思い浮かべたり、落ち着いている体の状態を再現したりできるような、自分なりのやり方を見つけましょう。EMDR療法を受ける場合も、『今は安全な場所で、つらかった過去の話をしているのだ』という思いを持つよう心がける必要があります」

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