がん3大治療のひとつ 「放射線」でがん細胞は死ぬのはなぜ

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 もちろん正常な細胞でも放射線を照射すると、同じようにDNAは傷つく。しかし、細胞修復機能が正常に働くことで修復される。がん細胞はこれが脆弱だ。

「そもそも、放射線に照射されるとがん細胞は正常細胞よりもDNAが傷つきやすいと考えられています。その理由のひとつにがん細胞が正常細胞に比べて細胞分裂のスピードが速いことが挙げられます」(一石教授)

 細胞が分裂、増殖するためにはDNAの2本のはしご状のらせん構造がほどけて、1本鎖になる。それをコピーすることで増殖がスタートするが、1本鎖のときに放射線が当たれば2本鎖の時よりもダメージは大きくなるからだ。

 ただし、DNAが傷ついただけでがん細胞がすぐに死ぬわけではない。傷ついたDNAが正しいタンパク質を作ることができないため、分裂時に死んでしまうのだ。

 しかも、死んだがん細胞はすぐに消えてなくなるわけではない。がんの塊はしばらくは残っていることが多い。

「死骸となったがん細胞は白血球の一種である貪食細胞が食べて処理していきますが、それには時間がかかります。そのため治療効果の判定のためのCTやMRI検査は、照射後2~3カ月後が良いとされるのです」(一石教授)

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