見つけるとお座り…がん探知犬はなぜ早期発見できるのか
「尿を提出するだけなので、健診を受ける人の負担が非常に少ない。今回の試みは研究の一環として行ったわけですが、1年目は想像より陽性が見つかる数が少なかった。そこで2年目は尿の量を増やし、容器も大きくするなどして、犬がもっと慎重にニオイをかげるような工夫をしました」
■センサーの開発にみ取り組む
なぜ、がん探知犬は早期がんを発見できるのか? それは、がん患者には特殊なニオイがあるからだ。
「病院でがん患者の尿のニオイをかがせると、犬はお座りするなどの反応を必ずします。どれだけ早期のがんでも、必ずです。結果が分かった上でやっているので、当たっているかどうか、私たちもはっきり分かります。しかし健診ではがんの有無が分からない状態でニオイをかぎ分けるため、犬の反応が本当に正しいのかわからない。実際、昨年の金山町の健診では、陰性とした6人に通常の検査でがんが見つかりました。今後どうやって正確性を高めるかが課題です」
こう話す宮下教授は、がん探知犬の研究とは別に、ニオイでがんの種類を判別するセンサーの開発にも取り組んでいる。 残念ながら、諸事情により金山町でのがん探知犬の健診は今年度で終了。12月5日に開かれた議会でも質問が寄せられるなど注目を集めた。
なお、金山町は、白壁と切り妻屋根の「金山住宅」が街並みの基本となっている。美しい街並み散策を楽しみたい“大人”にイチ押しの場所だ。