医学博士に聞いた 高齢者が“熱い風呂”を好むのはなぜだ?

公開日: 更新日:

 温泉や銭湯につかるのが気持ち良いシーズン。そこでよく見かけるお年寄りは、どういうわけか熱い風呂を好む。ヤケドしそうなほどの湯船に体を沈め、外の景色やペンキ絵を眺めていたりする。なぜ平気なのか。入浴について研究している東京都市大学の早坂信哉教授(医学博士)に聞いた。

「まず単純に、加齢により熱さを感じる皮膚感覚が鈍っていることがあります。50歳以下だと0.5度の温度差が分かるのに、65歳以上だと人によって1~5度と鈍くなる。理屈では、若い人が熱いと感じるより5度高いお湯でも平気ということです」

 感覚の鈍化に加えて、見逃せないのが「暑熱順化」。時間や経験とともに熱い湯に体が慣れる反応だが、好んで熱い湯を選ぶ人も多い。

「熱い風呂は交感神経を刺激するので、シャキッとする感覚があります。たとえば草津温泉には47度のお湯につかる『時間湯』という入浴方法がありますが、群馬大学の調べによると、時間湯を好む人の脳内では快楽物質のβエンドルフィンが増加していました。つまり、熱い湯が病みつきになるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  2. 2

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  3. 3

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  4. 4

    趣里の結婚で揺れる水谷ファミリーと「希代のワル」と対峙した梅宮ファミリー…当時と現在の決定的な違い

  5. 5

    中国企業が発表した「ナトリウムイオン電池」の威力…リチウムイオン電池に代わる新たな選択肢に

  1. 6

    永野芽郁「かくかくしかじか」"強行突破"で慌しい動き…フジCM中止も《東村アキコ役は適役》との声が

  2. 7

    永野芽郁と田中圭は文春砲第2弾も“全否定”で降参せず…後を絶たない「LINE流出」は身内から?

  3. 8

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  4. 9

    水谷豊に“忖度”?NHK『BE:FIRST』特集放送に批判…民放も事務所も三山凌輝を“処分”できない事情

  5. 10

    頭が痛いのは水谷豊だけじゃない…三山凌輝スキャンダルで間宮祥太朗「イグナイト」“爆死”へ加速危機