性器クラミジア<2>保険診療医では複数部位の検査は難しい

公開日: 更新日:

 直腸への感染は肛門性交でうつることが多い。しかし、女性では普通の腟性交でも起こりうる。腟と肛門が近いため、セックス時に病原体を含んだ体液が腟から垂れて肛門から直腸へ感染する場合があるという。

■目を感染路にする“顔射”

 また、AVのプレーで見られる“顔射”は目への感染経路になる。病原体が目に入ると結膜炎になり、目と鼻をつなぐ鼻涙管を通って咽頭にも感染する。

 それだけでなく、病原体が喉と耳をつなぐ耳管を通って中耳炎になることも。耳鼻咽喉科で中耳炎を治してしまえば、パートナーの感染には気がつかない。いずれも性感染症の専門医でなければ見落とされてしまう感染経路だ。

 女性の子宮頚管の感染は病原体が子宮の奥に入っていく(上行性感染)ので、放置していると怖い事態を招く。

「卵管炎を発症すると卵管が細くなって、子宮外妊娠を起こすことがあります。そして、卵管が破裂すると激痛と多量出血で失神します。女性がトイレに行って戻ってこない場合は要注意です。トイレで倒れていて、救急車で運ばれるケースも珍しくありません」

 病原体がさらに腹腔内に侵入すると「骨盤腹膜炎」の原因になり、上腹部に感染が広がると劇症の「肝周囲炎」を発症する危険性もあるという。女性のクラミジアは合併症が怖いのが特徴だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々