"完治”の可能性もある リンパ浮腫はむくむ前の治療が必須

公開日: 更新日:

 この弾性ストッキングをはじめ、患部の圧迫療法を中心とした治療を保存療法という。リンパ浮腫に対して保存療法しか行わない医師もいるが、山本医師は「多くの場合、リンパ浮腫の進行を止められない」と言う。

手術否定の理由に、『全部が成功するわけじゃない』という意見がある。確かにそうなのですが、手術をしなければ、徐々にですが、確実にリンパ浮腫は進行する。それこそ治療が極めて困難な重症リンパ浮腫に至るケースもあるのです」

 前述のリンパ管細静脈吻合術であれば「かすり傷程度の負担」(山本医師)。これがダメならリンパ節の移植手術が検討されるが、全身麻酔が必要な大掛かりな手術になり、がんで全身状態が悪かったり高齢者であれば受けられない。

「とにかく、まずはリンパの流れを調べる検査を。それすら受けていない患者さんが圧倒的に多い。リンパの流れを調べ、手術を含め適切な治療を検討するのが、今できる最善のリンパ浮腫対策です」

 リンパの流れを調べる検査は保険適用外。通常は全額自己負担だが、研究目的で医療機関が費用を負担する場合もある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった