クレアチニン・クリアランスは腎機能低下早期発見の決め手

公開日: 更新日:

 そこで大切なのが、血中のクレアチニンと尿中のクレアチニンを比較するクレアチニン・クリアランスです。腎臓の糸球体は、体に必要なものを取り込んで、不要なものを尿に排出するろ過装置で、この検査は糸球体のろ過機能がどれくらいあるかを調べます。

 基準値は、男性が1分あたり90~120ミリリットルで、数値が下がるほど腎機能が低下していると判断。50~70が軽度、30~50が中等度、30以下は尿毒症が疑われる重症です。採尿と採血の両方を組み合わせるため、初期の異常をチェックできますが、検査方法は簡便な短時間法でも1~2時間。きちんと調べるには、それなりの時間が必要です。

 糸球体の異常を起こす典型的な病気が糸球体腎炎で、そのベースには高血圧が関係しています。腎臓の異常ではなく、うっ血性心不全や心筋梗塞によっても、クレアチニン・クリアランスの数値が低下することがありますが、その背景にも高血圧が関係しています。

 つまり、腎機能の低下と高血圧は不可分の関係。高血圧の治療をしっかり受けることが、腎臓を守る近道です。

 梅田悦生・赤坂山王クリニック院長

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々