「日本うんこ学会会長」石井洋介さん 潰瘍性大腸炎を語る

公開日: 更新日:

 再び入院となったのは高校を卒業した年の夏でした。腹痛、発熱、下血が続き、強めの治療をしても良くならないまま1カ月が経ちました。そして入院中に大量下血して、トータル約6リットルの大量輸血をしたそうです。血液を総入れ替えしたぐらいの量です。「緊急手術」と聞かされた時は、「今日死ぬのかも」と初めて死を意識しました。

 友達もなく、夢もなく、難病を抱えて自暴自棄になっていたボクですが、いざ本当に死にかけてみたらやっぱり死にたくありませんでした。

「もう一度、元気になって少しでも世の中の役に立つような生き方をしてから死にたい」と、初めて生きる理由を考えたのです。

 そして19歳で人工肛門になりました。もう食事制限もないし、抱えていた不調もなくなり、「やるしかない!」と人生に前向きになったのですが、何かやろうとすると二の足を踏んでしまう。「街に出よう」「でも人工肛門だしな」、「彼女をつくろう」「でも人工肛門だしな」という具合に、人工肛門を理由に動きだせない自分がいたのです。


■人工肛門閉鎖手術で抱えていた不安が消えた

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々