著者のコラム一覧
奥野修司ノンフィクション作家

▽おくの・しゅうじ 1948年、大阪府生まれ。「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で講談社ノンフィクション賞(05年)、大宅壮一ノンフィクション賞(06年)を受賞。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「本当は危ない国産食品 」(新潮新書)がある。

「行きたくない」とデイサービスを拒否するのは男性が多い

公開日: 更新日:

 デイサービスには喜んで行く人もいれば、「あんなトコには行きたくない」と、かたくなに拒絶する人もいる。ずっと家で過ごせたらいいのだが、ヘタすると生活リズムが崩れたり、社会とのつながりが消えたりして孤立しかねない。それに家族は介護負担を考えると、やっぱりデイサービスには行ってほしいはずだ。

 なぜデイサービスに行かないのか。拒否した当事者にうかがってみた。

「見学に行ったら、年寄りが塗り絵をしたり人形を作ったりしてるじゃない? 冗談じゃない、あんなことできるか」

「行ったら、いきなりお風呂に入れられた。そのうえスタッフが『洗いましょう』って入ってくる。あんな恥ずかしいことはなかった」

「年寄りが集まって何がおもしろい?」

 最初の方は村山明夫さんで、このあと町田市の「DAYS BLG!」を見学したら、車の洗車やチラシの配達だが、働けると分かって今はそこに通っている。

 2番目の曽根勝一道さんは、トレーニングマシンが置かれているデイサービスに移ってからは満足している。最後は酒が好きな某大学の元教授で、「宴会になるかもしれないけどどうです?」と誘われて行ったところ、酒がわりにお茶でワイワイやっているうちにすっかりその事業所が気に入ったという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因