ハーバード大も注目 「ビタミンDでがん再発予防」の可能性

公開日: 更新日:

 研究では、患者のもともとの血中のD濃度のレベル(高、中、低)で分けた観察も行っている。高レベルは少数なので省いているが、中レベルでは5年経過で見ると無再発生存率はD群で85%、プラセボ群では71%。この14ポイントの差は統計学的にも有意で、確実にがんの再発を抑えていた。この結果は「普段から高めの人でDサプリの上乗せ効果がある」と解釈できる。

 浦島部長らの研究が掲載されたJAMAには、ハーバード大の研究も同時掲載された。こちらは、手術適用外の大腸がんに対するDの効果を見る二重盲検ランダム化プラセボ比較試験(研究名・SUNSHINE)だ。

「SUNSHINEの結果は、我々の結果と驚くほど似ています。全体では差がないが、補正するとがんの進行を抑えるという結果です。また、今年1月に別の医学誌にハーバード大学の『Dががんの発症を予防できるか』を見る研究・VITALが発表されました。これも『予防しない』という結論でしたが、BMI(肥満指数)25未満に絞って解析をするとがんの発症を24ポイントも有意に予防しています。肥満の多い米国ではなく、日本でやっていたらDががん発症を防ぐという結果だったかもしれません」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々