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青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

英で報告 超加工食品を毎日食べると死亡リスクが増加する?

公開日: 更新日:

 野菜や果物、あるいは新鮮な魚など、加工度が低く、添加物が少ない食品は健康に良いイメージがあります。他方で、スナック菓子、インスタントラーメン、ハンバーガー、サラミやソーセージなど、高度に加工された食品を毎日食べ続けることは、健康に良い食習慣とは言えないかもしれません。

 高度に加工された超加工食品の摂取と健康への影響を検討した研究論文が、2019年5月29日付で英国医師会誌電子版に掲載されました。

 この研究では、スペインに在住している20~91歳の1万9899人が解析対象となりました。アンケート調査によって、超加工食品の摂取量を「1日2食未満」「1日2~3食未満」「1日3~4食以下」「1日4食超」の4つのグループに分け、死亡のリスクを比較しています。なお、結果に影響を与えうる年齢、性別、婚姻状況、喫煙・飲酒状況、1日の摂取カロリーなどの因子について、統計的に補正を行い解析されました。

 1999年から2014年まで、2年ごとに追跡調査した結果、超加工食品の摂取量が最も多い集団(1日4食超)では、最も少ない集団(1日2食未満)に比べて、死亡のリスクが1・62倍、統計学的にも有意に高いことが示されました。また、超加工食品が1食分増加するごとに、死亡のリスクは18%統計学的にも有意に増加することも示されました。

 超加工食品を好んで食べている人は潜在的に生活習慣病リスクが高く、健康的な食事をしている人に比べてそもそも死亡のリスクが高いのかもしれません。とはいえ、食習慣が偏っていると感じている人は、超加工食品の摂取を少しでも控えてみると、健康に良い影響が期待できるかもしれません。

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