著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

食習慣の改善は心臓疾患を激減させる可能性がある

公開日: 更新日:

「地中海食」と呼ばれる料理があります。イタリア、スペイン、ギリシャといった地中海沿岸の国々の伝統的な料理のことで、オリーブオイル、ナッツ、野菜、果物、豆類、精製されていない穀物を豊富に使い、チーズやヨーグルトを頻繁に食べる。肉、卵、乳製品より魚を多く食べ、適度に赤ワインを飲む――といった特徴があります。

 世界各国で「健康に良い食事」として数多くの報告があり、がん糖尿病アルツハイマー病といった病気のリスクを下げるとされています。

 心臓血管疾患の予防に効果的だとする研究も多く報告されています。イスラエルの研究では、約300人を対象に地中海食を食べるグループと、日頃の食事を続けるグループに分け、18カ月にわたって経過を観察。地中海食は心臓、肝臓、膵臓の内臓脂肪を著しく減らし、糖尿病と高血圧の罹患率が大幅に低いことがわかりました。

 スペインの研究では、7447人を対象に地中海食にエクストラバージンオリーブオイルを加えたグループ、地中海食にミックスナッツを加えたグループ、低脂肪食の摂取を指導したグループに分けて比較したところ、心筋梗塞脳卒中といった主要心血管イベントの発生率は、低脂肪食グループに比べ、オリーブオイルグループは31%減、ナッツグループは28%減という結果でした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか