夜泣きに追い詰められた母親が…乳幼児に睡眠薬投与の是非

公開日: 更新日:

 関東にある総合病院から出された処方箋を見た薬剤師のAさんは驚いた。2歳に満たない赤ちゃんに睡眠薬が処方されていたからだ。“何かの間違いではないか”と思ったAさんは医師に疑義照会をしたが、「問題ありません。処方箋通りに出してください」と言われたという。処方箋を持ってきた母親に聞くと「(赤ちゃんの)夜泣きがひどく、ほとんど寝ないと相談したところ、処方された」と答えたという。実は臨床の現場では、こうした例は必ずしもゼロではないという。「弘邦医院」(東京・葛西)の林雅之院長に聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 Aさんによると赤ちゃんに処方された睡眠薬は「ラメルテオン」(一般名)だったという。体内時計のリズムを整えるメラトニンというホルモンに働きかけることで眠気を誘う薬だ。

「メラトニンの分泌量は夜中に増えて、明け方に向けて徐々に減っていきます。そのことで人は夜に眠くなり、朝方に目が覚めます。この働きを利用した睡眠薬です。夜中に途中で目が覚めてしまう人や朝早く起きてしまう人、熟睡できない人に投与されます。睡眠薬には脳の機能を低下させることで眠気を促すタイプと自然の眠気を強くするタイプがありますが、ラメルテオンは後者のタイプ。せん妄を起こす可能性も低く、比較的安全な薬です」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」