著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

専門誌に論文 認知症が「ステロイド」で予防できる可能性も

公開日: 更新日:

 認知症はいったん症状が進んでしまえば、その進行を遅らせるような治療しかありません。もちろん予防できればそれに越したことはないのですが、決め手となるような予防法や予防薬もないのが現実です。何か有望な方法はないのでしょうか? 

 認知症は脳の神経細胞の炎症が原因のひとつである、という仮説があり、それが本当であるとすると、炎症を抑えるような治療で認知症が予防できるかも知れません。

 今年の認知症の専門誌に、「治療薬のステロイドと認知症」との関係を調べた、興味深い論文が掲載されました。ステロイドは炎症を抑える作用を持つ薬で、飲み薬や注射以外に吸入薬や点鼻などでも使用されています。

 ドイツにおいて大規模な医療保険のデータを解析したところ、ステロイドを継続的に使用している人は、そうでない人より、20%近く認知症が少なくなっていました。ステロイドの種類では、もっとも予防効果があったのはぜんそくなどの「吸入ステロイド」で、35%も認知症になる人が少なく、続いて「点鼻のステロイド」も高い予防効果が認められました。これはぜんそくなど他の病気の治療のために使われていたので、その効果はまだ確実とは言えませんが、吸入や点鼻のステロイドは副作用も少なく、画期的な予防法となる可能性があります。

 近い将来、ステロイドが認知症の予防に使われるようになるかも知れません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 2

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  3. 3

    嶋基宏は一時期ノイローゼ状態になっていた...心ここにあらずで、魂が抜けた状態に

  4. 4

    伊藤健太郎とキンプリ永瀬廉で明暗クッキリ…「熱愛報道」出口夏希の足を引っ張りかねない“イメージ格差”

  5. 5

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  1. 6

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  2. 7

    視聴率の取れない枠にハマった和久田麻由子アナの不運 与えられているのは「誰でもできる役割」のみ

  3. 8

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  4. 9

    居酒屋倒産が過去最多ペース 客離れの背景にある「飲み放題5000円」の壁

  5. 10

    巨人“育成の星”のアクシデントに阿部監督は顔面硬直、原辰徳氏は絶句…桑田真澄氏の懸念が現実に