著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

画期的な薬の開発で歩けなかった子供が歩けるようになった

公開日: 更新日:

「脊髄性筋萎縮症」(SMA)に対する遺伝子治療薬のお話を続けます。SMAは、日本では指定難病で罹患率は10万人に1~2人です。

 SMN1遺伝子が明らかな原因遺伝子である先天性疾患ですが、これまでは対症療法しかなく、I型と呼ばれる重症症例では生後6~9カ月で亡くなっていました。それが、遺伝子治療薬が開発されたことにより、SMAで歩けなかった子供が歩けるようになったり、生存期間が延びるなど劇的な改善が見られています。SMAに対する遺伝子治療薬はまさに偉大な薬の誕生といえるでしょう。

 SMAに対する遺伝子治療薬は「スピンラザ」(一般名:ヌシネルセン)と「ゾルゲンスマ」(国内未承認)の2種類があります。他にも数種類が治験段階のようです。

 スピンラザは2017年9月に発売されました。その作用機序は画期的で、SMAの原因遺伝子であるSMN1遺伝子に直接アタックするわけではなく、「SMN1遺伝子の異常によって作られなくなったSMNタンパク質を補う」というものです。

 体内には、SMNタンパク質を作るもう1つの遺伝子であるSMN2遺伝子という遺伝子があります。スピンラザはそのSMN2遺伝子に結合して、正常なSMNタンパク質が作られるように促します。これによってSMN1異常で不足していたSMNタンパク質を補うことができ、治療効果を発揮するのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網