著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

「脈拍」が速いと早死にするから危ない…は本当なのか?

公開日: 更新日:

「脈が速いと早死にする」、といった話を、聞いたことのある方は多いと思います。クリニックにも、「脈が速いので心配」、という理由で受診をされる方が時々います。これは本当でしょうか?

 確かにこれまでにいくつかの論文で、「脈拍が多いと寿命が短い」という結果が報告されています。ただ、脈が速くなる原因として、心臓病や貧血などがありますから、そうした病気の人が交じっているので、そのような結果が出ているだけ、という可能性もあります。

 一方で運動不足や肥満の状態では、心臓の働きが落ちることによって脈が速くなる、ということが知られています。昨年の心臓病などの専門誌に、その点を脈拍の変化に注目して分析した論文が掲載されています。

 健康な成人6683人に約3年の間隔をおいて、2回安静時の脈拍を測定したところ、脈拍はその間に平均でおよそ1回低下していました。その一方で逆に脈拍が増加していた人は、肥満やコレステロールの上昇、運動不足などとの関係が認められました。つまり、年齢と共に脈拍はゆっくり低下するのが正常で、それが増加する時は、健康に問題のある可能性が高い、という結果です。

 脈拍は最も簡単に測定できる健康の指標です。時々脈拍を測定して、それがだんだんと増加する時は、不摂生や運動不足などの生活を、見直してみる必要がありそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に