3カ月で椎間板再生 注射1本でできる「腰痛」の根本的治療

公開日: 更新日:

「剣道歴13年の当時20歳の女性は椎間板が変性し、痛みで競技が続けられない状況でした。しかし細胞移植で椎間板が再生し、痛みが取れた。自家細胞移植から8年経った現在も、椎間板は健康な状態のままです」

 今回の治験では、米ディスクジェニックス社が開発した細胞治療製品を移植に使っている。免疫の面から見ると自分の細胞を使う方が安全だが、細胞の処理などで手間がかかり費用が高額になる。ディスクジェニックス社の細胞治療製品は、成人ドナーから採取した細胞を大量培養したもので、費用が抑えられる。治験の主な目的は、この細胞治療製品の安全性と有効性を評価することだ。

「大量培養した細胞は椎間板への定着をよくするためにヒアルロン酸と混合しています。これを椎間板の変性した部分へ注射で注入します」

 これまでに行われた動物実験では、画像検査、肉眼像、組織像すべてで投与してから12週間経過後に椎間板に有意な修復が見られている。

「まず炎症が治まり、ゆっくりと修復・再生が始まります。痛みは投与後1カ月くらいで取れますが、さらに組織が修復するには、細胞が定着し、細胞の正常な営みが行われなければならないので、再生の確認には3カ月ほどかかります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い