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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

人気ロボット手術「ダヴィンチ」より放射線を選ぶべき基準

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 ダヴィンチには、内視鏡カメラと3本のアームがついていて、腹部などの小さな穴からこれらを挿入。医師は手術台から数メートル離れたところから操作し、メスや鉗子、ハサミなどの手術器具をアームに付け替えながら手術します。ロボットが自ら動いて手術するのではありません。

 主なメリットは3つ。①傷が小さく、出血量が抑えられ、術後の回復が早い②アームなどの精度の高さ、手振れ排除などにより、正確な切開や縫合が可能③さまざまな機能の温存です。

 直腸には、排尿や性機能などを担う重要な神経が密接しています。これらが損傷されると、日常生活への影響は少なくありませんが、ダヴィンチは温存できる可能性が高いのです。

■1台2億円超の高コストが壁に

 ただ、その導入費用は1台2億円以上。それでも診療報酬は従来の手術と変わりません。病院によっては、本来の適応範囲を超えて、ダヴィンチ手術の症例数を稼ごうとすることもありえるでしょう。


 たとえば、前立腺がんは、メスで切らずとも、放射線で根治でき、機能温存も可能。最新の定位放射線なら1回90秒ほどを5日かけて5回照射で完了。治療は通院で、医療費は3割負担なら20万円ほど。一方、手術は3割負担で約45万円。手術は経過が良好でも1週間程度は入院です。

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