眼科編(12)「シャルルボネ症候群」は加齢黄斑変性症の12%が経験

公開日: 更新日:

 いないはずの人やモノが見える──。ドラマや怪談話では過去に悪行を重ねた人が年をとって生々しい被害者の幻影に苦しめられるシーンが登場する。多くの人は作り話と思うだろうが、必ずしもそうとは言えない。実際に、周囲の人には見えない人やモノが明瞭に見える目の病気があるからだ。それが「シャルルボネ症候群」だ。自由が丘清澤眼科の清澤源弘院長に聞いた。

「幻視が見える人は精神的に問題がある人、というイメージがあるかもしれません。しかし、年を重ねると誰でも見る可能性があります。それは、目の病気で欠けた視野を脳の中で過去の記憶で補うことで起きると考えられているからです」

 実際、幻視を見たことがあるという高齢者は少なくない。ただし、自分が精神疾患を持っていると疑われるのを恐れて、幻視を隠そうとしているという。

「シャルルボネ症候群の最初の記述は、1760年にスイスの科学者シャルル・ボネが記したエッセーです。認知症ではない87歳の祖父が、両側白内障による視覚障害の発症後に経験した幻視を記録しました。最近になって、これは白内障や視神経障害だけでなく緑内障や加齢黄斑変性にも多く見られることが注目され、シャルルボネ症候群で見られる幻視の症状を認識することの重要性が指摘されています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束