マスク着用に暑熱順化なし…かつてない夏にどう備えるか

公開日: 更新日:

「たとえ緊急事態宣言が解除されても、マスクを着けなければいけない状況は当分続くはず。全世界の人が、マスクをした状態でひと夏を過ごすなどという経験は、かつてない事態です。今年の夏に熱中症で倒れる人がどのくらい発生するか、まったく予想することができません」

 こう警鐘を鳴らすのは、帝京大学医学部付属病院高度救命救急センター長で、同大学医学部救急医学講座の三宅康史教授だ。環境省「熱中症予防声かけプロジェクト」の実行委員長も務める、熱中症の第一人者である三宅教授はコロナ禍で迎える前例のない夏において、熱中症の患者が増加する可能性があるという。

「これから本格的に暑くなってくると、暑い屋外でマスクを着けるだけで体にかなりの負担がかかることも予想されます。本来、私たちは冷たい空気を吸うと、温かくて湿った空気が呼気として出ていって、その分、体が冷やされます。しかし、マスクを着けたままだと、まず息を吸う時に暖かくなっているマスクを通過してくるので、暖かい空気が入ってくる。さらに、吐く息がマスクを暖めるので、次に吸い込む空気にも熱が加わる。呼吸によって体を冷やす効果が圧倒的に落ちてしまうことは、確実です」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手